親指ピアノフェスティバル、行ってきました。仕事で行ったのですが、自分の講演部分は、5組のアーティストの方の間のちょうど真ん中。それ以外の時間は、観客になって楽しんできました。
参加された方は、(登場順) 中村由紀子さん、ロビン・ロイドさん、ハクナターブさん、私、サカキマンゴーさん、パシチガレ・ムビラズさんでした。
以前、ムビラサミットにも出させていただいたので、いくつものグループの演奏は前も聞いたことがあるのですが、今回は、ライブハウスではなくて、ホール(でも、大きすぎず、温かみのあるこじんまりとしたホールでした)、照明も雰囲気がでていたし、舞台の後ろに参加者がそれぞれ持ち寄ったジンバブウェの布がかけられていて、物静かで感じの良い雰囲気の舞台設定になっていました。
演奏ですが、それぞれのグループが30分ずつ時間を持っていて、演奏やお話をするのです。その多彩なことと言ったら!あらためて、親指ピアノの奥深さを知ったという感じでした。
一番手の中村由紀子さんの演奏は、自分の準備で聞けなかったのですが、ムビラのチューニングの方法とか奏法の一部をご紹介されたようです。う~、見逃し・聞き逃したのが残念です~。
ロビン・ロイドさん、実はずっとずっと前におめにかかったことがある方で、その時私は初めてムビラにであったのです。今回も、彼の中で昇華されているやさしい音色をかなでていらっしゃいました。最後の演奏がアフリカ大陸を旅するというものだったのですが、ジンバブウェから北上していき、あぁ、海に出たな・・・と思ったのですが、聞いているうちに、あれ?海じゃなくて雨の音?(ロイドさん、鈍感でごめんなさい・・・) もしかしたら、雨の中を象がやってくる音?といった具合に、音と一緒に旅をしながらアフリカ大陸を巡っていました。ラスト、演奏しながら自分もフェードアウトしてゆく心憎い演出!
次のハクナターブさんは、元気一杯!東アフリカ~という感じのエネルギッシュな音楽でした。(私の個人的なエピソードはDADAのHP表紙にある事務局便りをご覧下さい)。ラストの「ジャンボ」はこれまでも色々な場所で何度も何度も聞いているなじみの曲なのですが、今回ほど温かいパワーをいただいた「ジャンボ」はありませんでした。
自分の講演が済んで、後半の二組の演奏は客席で聞きました。サカキマンゴーさんは、パフォーマーだぁ~。 ってごく当たり前な感想ですみません。でも、独特のすごさがある舞台でした。彼が演奏を始めた瞬間、風というか、小さな突風が吹いて、一瞬、私は席から後ろに飛ばされそうになりました。いえ、本当の話です。そのくらい迫力がありました。ところで、一曲だけ知人が参加していてびっくり!あんなすごいアーティストと一緒に演奏できる彼女もすごい!と二重に驚きの舞台でした。
そして、ラストが、パシチガレ・ムビラズ。私的には、自分の中の(「親指ピアノ」というよりも)「ムビラ」の音にもっとも近い音色を奏でるグループです。私にとってのムビラは、お葬式とか何かしらの儀式とむすびついているもの。だから、緊張して座っている自分の耳にはいってくる音楽なのです。とめどなく続く同じフレーズ。何かが始まる、何かを終わらせるための音楽・・・。そんな印象のある音楽です。
実は、この日、まだ本調子ではなくて、自分の講演が終わったら、さっさと着替えて、座って聞いていました。パシチガレ・ムビラズの演奏1曲目が始まったとたんに、なんというか、力強さというのか、立ち上がっていかないといけない、という気分の曲なのですが、本調子ではない自分の体調では無理・・・と感じてしまうくらい力強い曲だったのです。で、ふと、プログラムを見ると、なんと「Bukatiende」(さぁ、起きて行こう)。 旅のときに出発を促す曲で、戦いを前に奏でられたとも言われている曲だそうです。そうか、自分はまだ立ち上がって戦いにいけるほど元気にはなってないっていうことかぁ・・・と妙に納得してしまいました。
ところで、このフェスティバルを開催した浜松楽器博物館は、以前、親指ピアノの展示企画展を おこなっていて、会場では、その時の図録が売っていました。 場所は、浜松駅のホントにすぐそば。お近くにおでかけの際は、ぜひぜひ立ち寄ってみてください。
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